富山トヨタ自動車株式会社・富山トヨペット株式会社・ネッツトヨタノヴェルとやま株式会社と地域に根差した3社が2021年に合併して誕生したトヨタモビリティ富山株式会社(本社:富山市、代表:品川祐一郎氏。以下、トヨタモビリティ富山)は、富山県内に20店舗、700名弱の従業員を抱える、県内最大級の自動車ディーラーです。
自動車販売や自動車の整備・点検・修理を中心に、レクサス車の販売・整備事業やレンタカー事業も展開。また、2020年に北陸初の水素ステーションを富山市にオープンしたほか、MaaS(Mobility as a Service)と呼ばれるモビリティに関する新しい技術やサービスにも積極的に取り組んでいます。
今回、トヨタモビリティ富山の営業企画室長・長谷川直人氏、営業本部係長・濵田弥生氏、営業本部の森文絵氏の3名に、Fireworkを導入した背景や実際の効果、今後の展望などをお伺いしました。
縦型動画を導入し、若い客層を取り込みたい
Firework導入の決め手について語る 営業本部係長・濵田弥生氏
―なぜFireworkを導入したのか、背景を教えてください。
濵田氏:まず会社全体として、若者の車離れを食い止めたり、若い客層を取り込みたいという思いがあり、YouTubeやInstagramで若い世代が多く閲覧する縦型のショート動画に注目し、強化していきたいと考えていました。そのような中、Firework社より縦型ショート動画を用いた動画マーケティングの提案があり導入を決めました。
長谷川氏:販売店のウェブページは、車種情報が掲載されているページなど、メーカーから提供されたある程度フォーマット化されたコンテンツを掲載していることが多いのですが、その中でも、もともと弊社は各店舗がSNS上で、販売店の様子や各車両の細かい仕様などを紹介する動画を投稿していました。
その動画の数々を全社のウェブマーケティングとして活用して、ウェブページ経由での車両販売の強化に繋げたり、採用広報の面から効率的に人材募集を行ったりできればと考えたのです。
ウェブマーケティングとはいっても、ウェブページを通じた来店予約をKPIと設定していたぐらいで、お恥ずかしい話、それまでウェブサイトの回遊率や滞在時間、直帰率などの指標を取ってはいませんでした。これらの指標はGoogle Analytics(GA)などのツールによって計測できるのですが、Firework動画に関わる指標もGAと連携することで、より厚みのある分析ができるという提案をいただき、これまで見れていなかったインサイトの分析も行えそうだという点にも期待をしました。
また、採用の面でいうと、会社の基本的な情報や待遇は、自社ホームページのほか就職情報サイトにも掲載しているのですが、やはり今の若い方々は「実際にどういう仕事をするのか」「どういう雰囲気の職場なのか」といった裏側を知りたいと思っていると思うので、一目で職場の雰囲気が伝わるような縦動画を活用することで、採用広報に効果があると感じたこともFirework導入の背景にありますね。
濵田氏:そうですね。縦型ショート動画を通じて少しでも「この販売店で買いたいな」「この販売店で働きたいな」と思っていただき、他のメーカーや販売店のウェブサイトとの差別化を図れればと思っていました。
特別なことをしなくても、目に見える効果
―実際にFireworkを導入してみての感想や効果は?
濵田氏:全体的に想像以上の効果が出ています。現在は全店舗ではなく、一部の先行店舗のみFireworkを活用しているのですが、Fireworkのカスタマーサクセス担当にいただいた分析によると、3ヶ月間で車両販売ページだけでも累計約1万7000回以上の動画が視聴され、そのうち300回以上は動画内容で興味を惹き、次の行動へ促すことに成功しました。採用ページでは同じ期間で累計約1000回動画が視聴されました。
また、実際にサイトを訪れて動画を視聴いただいたユーザーは、未視聴のユーザーと比べて、滞在時間が約1.3倍、訪問あたりのページビュー数が2.1倍、直帰率が約3分の2、1ユーザーあたりの訪問回数が3.2倍と成果を上げています。さらに動画を試聴したユーザーの試乗予約申し込み率は未試聴ユーザーの6倍という結果になっています。
Fireworkを導入したメリットについて語る 営業企画室長・長谷川直人氏
長谷川氏:Fireworkを導入して、専任カスタマーサクセスのサポートを受けることで、こういうウェブマーケティングの分析ができるようになったことは一つの大きなメリットだと思います。
しかもFirework導入のために社内の体制を新たに整えたり、何か特段新しいことを準備する必要がなかった点もよかった。先ほどもお伝えした通り、弊社はもともと各店舗がSNSでの発信をしてくれていたので、言ってみれば、その動画コンテンツをFireworkを活用して、全社のウェブサイトで公開するだけなんです。それでもここまでの効果が出たのは素晴らしいことだなと思いますね。
また、自分たちが作成した動画がより多くの人に見てもらえて、効果を生み出しているということで、各店舗のモチベーションアップも期待できると考えています。
―もともとSNSでの発信や動画撮影を強化されていたのは大きいですね。
Firework導入前からSNSへ動画コンテンツを配信
長谷川氏:弊社の営業活動は、「お客様を守る活動」と「お客様を増やす活動」という二軸で展開しています。「お客様を守る活動」は店頭での接客などをいい、「お客様を増やす活動」に関しては店舗でのイベントやウェブ上での営業活動を示しています。
年度によってどちらに比重を置くか、方針は異なりますが、基本的にはこの二軸をしっかりやっていくことを掲げています。さらに若い世代の客層を呼び込みたいという思いが前提にあることを考えると、SNSでの発信や動画撮影に自然と注力することになりました。
森氏:やはり自動車ディーラーは「入りにくい」と思われる方も多いと思いますが、SNSでの発信は、そういったイメージを払拭できるような取り組みになっています。加えて、営業スタイルも従来の訪問スタイルから、いかにお客様に弊社を選んで頂き、ご来店頂けるかが大切です。その中で各店舗で何ができるのかを再確認した上で取り組んでいるのだと思います。
ーちなみにFirework導入にあたっての懸念点はありましたか?
今後は本部主導で定期的なフォローをしていくと語る営業本部の森文絵氏
長谷川氏:我々本部の人間というよりも、各店舗のみなさんに主導していただいている取り組みではあるので、スムーズに仕組みが導入できるか、モチベーション高く取り組んでいただけるかという点は慎重に検討しないといけないと考えていました。
というのも、全店舗がSNSのアカウントを持っているとはいえ、とても積極的に投稿をしてくれる店舗もあれば、他の業務との兼ね合いでなかなか優先度を上げられない店舗もある中で、どこまでご協力いただけるかどうか。その懸念があり、ひとまず現在は先行店舗のみでの実施にしています。先行導入した店舗のみなさんのモチベーションも高く、効果も出てきたので、徐々に導入店舗を広げていきたいと考えています。
濵田氏:各店舗が作成した動画をFireworkにアップする際、例えばSNSで使われていた音楽を消すなど、店舗側に細かい負担が増えることも懸念していましたが、いざ導入をしてみると、特に店舗側からの不満や不安の声もなく、みなさん積極的にFireworkにも投稿をしてくださるので、安心しています。
森氏:長谷川が話していた通り、今後は導入店舗を広げていくフェーズなのですが、その際に「動画を作るのが得意な店舗」と「そうでない店舗」が生まれてくることを懸念しています。今後は本部主導で、定期的なフォローや研修をするなど、対策をとる必要が出てくると思います。
今後もFireworkと一緒に課題解決していきたい
ー今後、Fireworkに期待することを教えてください。
長谷川氏:自分たちが作成した動画がInstagramだけでなく、全社ウェブサイトのコンテンツになっているということで、先行店舗のみなさんには非常にモチベーション高く動画を投稿していただいています。
今後もこの高いモチベーションをキープするため、また、さらに導入店舗を増やしていくため、Fireworkさんにはアナリティクスの共有や研修の実施など、いろいろとサポートをいただきながら、一緒に課題解決に取り組めたらと思っています。