1947年創業、1977年設立の株式会社岸和田スポーツ(本店:大阪府岸和田市、代表:阪下岳氏。以下、岸和田スポーツ)は、サッカースパイクやフットサルシューズなどを豊富に品揃えしている関西最大級のサッカー&フットサル専門店です。大阪府内を中心に兵庫県尼崎市や京都府八幡市、東京都町田市など9店舗を構えるほか、オンラインストアでも商品を販売しています。
今回、岸和田スポーツのSenior Technical Expertである水野貴文氏、店舗スタッフである西脇涼氏の両名にFireworkを導入したきっかけや実際の効果、今後展開してみたいことなどをお伺いしました。
ライブコマースでさらなる認知拡大を狙う
―まずはじめに、岸和田スポーツに入社したきっかけや普段のお仕事内容を教えてください。
取材に応じる水野貴文氏(左)、西脇涼氏(右)
水野氏:私はSenior Technical Expertという肩書きですが、要は専門的な知識を持った販売のエキスパートとして仕事をしています。具体的には、各店舗をまわりながら、社員やアルバイトスタッフとコミュニケーションをとり、販売の教育指導や売りたい商品をより販売するための戦略を練る「VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)」を担当したりしています。
入社して7年目となるのですが、私自身、もともとプレイヤーとして幼稚園から大学卒業までサッカーをしてきました。私も高校・大学時代にずっと岸和田スポーツでシューズを購入していましたし、「大阪で生まれ育った人ならば、岸和田スポーツを知らない人はいない」と思うほど、身近にある企業だったんですね。なので、サッカーに関わる仕事がしたいという思いがあった私にとっては極々自然な流れで入社をしました。
西脇氏:私は入社2年目で、心斎橋店の販売スタッフをしています。私はもともとバレーボールをやっていたのですが、父や弟がサッカーのプレイヤーで、母もサッカー部のマネージャー経験があるというサッカー一家で生まれ育ちました。その影響で、私も高校からサッカーのプレイヤーとなって、大学ではサッカー部のマネージャーをしていました。岸和田スポーツとは、サッカー部のユニフォームを卸していただいていたというつながりがありました。卒業後もサッカーに関わる仕事に携わりたいという思いが強く、入社に至りました。
水野氏:社内には、私や西脇のように過去にプレイをしていた人もいますし、現役のプレイヤーもいます。また、特定のチームが好きだったり、海外のサッカーチームを応援していたりとサッカー好きなスタッフばかりですね。
―なぜFireworkを導入したのか、背景を教えてください。
Fireworkの導入の背景を語る、水野氏
水野氏:1番の理由は、他社との差別化を図るためです。岸和田スポーツは大阪府内では認知度が高く、ご愛顧いただいているお客様や選手様が多くいらっしゃるのですが、もっと全国の方々に岸和田スポーツを知ってほしいという思いがありました。
これほどSNSやライブコマースが発達した時代ですから、それらを上手に活用してさらなる認知の拡大、競合他社がやっていない独自のライブコマースでブランディングをしてみようと思い、2023年2月からFireworkさんにお世話になっています。
それまでもFacebookなどのSNSでの発信はしてきました。ただ、フィードに商品の画像を貼って、紹介文を書いてと一方的な発信が主だったんですね。よりお客様と双方向のコミュニケーションをとりながらPRしたいと思い、ライブコマースを開始しました。
それまではSNS担当に発信内容を一任していたのですが、ライブコマースを開始してからは「会社全体としてやっていこう」という方針に変わり、全社一丸となって発信を強化するようになったと思います。
―Firework導入前に不安に思っていたことはありますか?
水野氏:会社としてある程度認知はされているものの、実際にどれぐらいの方にご覧いただけるのか。それは始めてみないと分からないことで不安でした。また、活字での発信ではなく、自分たちの生身の言葉での発信ですから言葉の選択には慎重になりますし、どういう反応が返ってくるのかという怖さもありましたね。
また、各店舗のモチベーションをどう維持するかというのも気になっていました。社員に「会社から言われたからやる」と思われてしまうのはとても寂しいことですし、やはり楽しんでやることが1番だと思っていたので、熱量をどう伝播させていくかも心配していたところです。
スタッフの専門的な商品知識向上にも寄与
―実際にFireworkを導入してみての感想や効果を教えてください。
水野氏:最初はいろいろ不安に感じていることもありましたが、実際は初回配信後の周囲の反響が大きかったこともあり、ライブコマースの可能性を感じましたね。
ライブコマースの告知は早すぎても見てもらえないため、告知のベストなタイミングのほか、配信をご覧いただけない人も後から視聴できるようにアーカイブを確実に残すことなど、Fireworkさんからいろいろとアドバイスをいただき、改善を重ねていきました。
基本的に週1回の配信ですが、新商品の発売や話題性があるテーマの場合は、週2回の配信をすることもあります。
1年目は、もちろん視聴者の皆さんのことを考えつつ、自分たちが楽しむことに主眼をおいてやってきました。Fireworkさんのアドバイスや講習を通じて、ライブコマースで押さえるべきポイントが分かってきました。2年目以降も、自分たちが配信を楽しむということは忘れずに、もう少し上のステージで戦えるように頑張っていきたいと思います。
なお、販売面では、ライブコマースで商品に興味を持たれて、実店舗にご来店されたお客様がいらっしゃるなど、確実に成果が出ていると思います。一方で、配信する度にある程度の販売目標値を設定していますが、よりライブコマースを見た方がオンラインショップでお買い上げいただけるルートも強化できたらいいなと考えています。
西脇氏:私は出演回数がそこまで多くないので、まだ経験がないのですが、お客様から「配信を見た」とお声がけいただいたスタッフもいましたね。実際に出演するときも楽しかったですが、お客様に配信が届いていると知った時は、ますます嬉しくなりました。
水野氏:さらに、配信をする度に社員の商品知識が格段に向上したことも大きな収穫です。もちろん専門店ですから、社員が商品知識を持つことは当たり前なのですが、配信でのプレゼンテーションに向けて商品についてより深く調べたり、そうやって得た知識がどうしたらお客様に分かりやすくなるかなど工夫している姿を見て、これまで以上にお客様に向き合っているなと感じますね。
西脇氏:そうですね。私の実体験をお話しすると、初めての配信が「Jリーグのユニフォーム紹介」でした。紹介をするにあたっていろいろ調べていくと、それぞれのチームごとにユニフォームに込めた思いやコンセプトがあることを知りました。
例えば、横浜F・マリノスは、選手たちを支えるファン・サポーターの思いが染み込んだ三つ編みのミサンガをモチーフにしたデザインをユニフォームの首と袖の部分に入れていたり、コンサドーレ札幌は、27年目のシーズンということで、ユニフォームの前面を27本のストライプで構成したり、北海道の地図、雪の結晶や森の木々といった北海道らしいモチーフを入れていたりしているんです。
細かい部分ではありますが「なるほど!」と思える情報をお届けすることで、ユニフォームに対して愛着や関心を持っていただけると思いますし、私自身も毎シーズンのユニフォームのデザインが楽しみになりました。実際に接客する上でもお客様にお伝えできることが増えて、勉強になりました。
心斎橋店からのライブ配信
サッカーグラウンドからのライブ配信
―その他、配信時に心がけていることは何ですか?
水野氏:演者は普段から店頭で接客しているスタッフなので、その雰囲気やノウハウがそのまま活かせるといいなと思っています。予め細かく台本を設定するスタッフもいれば、ざっくりとした流れだけ決めて本番に臨むスタッフもいて、時々話が横道に逸れることもあるのですが(笑)、それも含めてライブ感があって楽しんでいただけているという実感があります。
視聴者からは「関西色が強いのが面白い」と言われることも多いですね。僕らは普段から関西弁で、自然のままに話そうとすると関西弁になるのですが、一部の視聴者にとってはそれが新鮮に見えたり、オリジナリティに見えたりするようで...意外な発見でした。関西以外の視聴者が増えているということかもしれませんね。
西脇氏:自分たちだけが楽しむのではなくて、視聴者も楽しめるように話し方や話すスピードなどに気をつけています。
また、他の店舗のライブコマースを視聴していろいろと参考にしています。例えば、小物の紹介をするときに、フリップにガムテープを貼ってクイズ形式で紹介しているスタッフがいました。たくさん準備をして配信に臨んだのだなということが伝わりましたし、自分もいつか真似してみようと思いましたね。
機能のアップデートに期待。一緒にライブコマースを盛り上げたい!
―今後、Fireworkに期待することを教えてください。
西脇氏:私は大学生のときからYouTubeやTikTok、Instagramの配信をよく見てきました。それらの配信ではコメントにプラスして、ハートを送る機能があったり、配信者側に質問を送る機能があったりするんですよ。Fireworkのライブコマースでもそういった機能が追加されると、より配信が充実したものになると思っています。
水野氏:確かにそういった機能のアップデートは興味深いですね。ジャストアイディアで技術的にはまだ難しいことかもしれませんが...視聴者の顔がポンと浮かんでくるような機能があっても面白い気がしています。
Fireworkさんには専門チームによるライブ配信トレーニングなど、今でも十分なサポートをしていただいています。僕らが配信を頑張れば頑張るほど、Fireworkさんのこともいろいろな人に知っていただける機会が生まれると思いますし、ぜひこれからも一緒に配信を盛り上げていきたいなと思っています。