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「毎日配信」で顧客の生活サイクルに入り込む!レスポンス率を高める SOU・SOUのライブ配信活用法

SOU・SOUは、日本の四季や風情をポップに表現したテキスタイルデザインを製作する京都のブランド。国内外で14店舗を展開し、早い時期からECにも注力しています。2022年にFireworkを導入した同社に「毎日配信」を実現できている運用ポイントや、導入して感じられた効果について伺いました。

テキスタイルデザイナーの脇阪克二氏、建築家の辻村久信氏、プロデューサーの若林剛之氏らによりスタートした「SOU・SOU」は、『新しい日本文化の創造』をコンセプトに、伝統的な素材や技法を積極的に用いつつ、現代のライフスタイルに寄り添うものづくりを展開。地下足袋や和服、和菓子や家具など、多岐にわたるアイテムを製作・販売し、2023年3月に20周年を迎えました。SOU・SOU創立時から、成長を支えてきた若林株式会社(以下、若林)SOU・SOUのショップディレクターである徳治達也氏に、Fireworkを活用してどのような動画マーケティングを実施しているのか、さらに運用のポイントや、早くも手ごたえを感じているという部分について詳しくお伺いしました。


「毎日配信」がもたらす新しい形のお客様とのつながり

―Firework導入の経緯は。

徳治氏:ライブ動画を始めたきっかけはコロナ禍です。私はSOU・SOUが立ち上がる前のセレクトショップ時代に若林に入社し、店長を経て今はショップディレクターという立場で店舗をまとめるような役割を担当していますが、コロナ禍で緊急事態宣言が発出され、お客様と店頭でコミュニケーションが取れない状態になりました。「それなら、こちらからお客様のスマホに向かおうか」と社内会議でライブ配信を始めることが決まり、店舗もたくさんあるので、各店から日替わりで毎日配信することになりました。

初めはInstagramとYouTubeでライブ配信を行っていましたが、外部のプラットフォームに依存せざるを得ない状態に問題を感じるようにもなりました。また視聴いただいたお客様の情報をこちらで知ることもできません。Fireworkを利用して自社サイトにお客様を呼び込み、ライブ配信を行うことで、データや情報の紐づけなどができるようになりました。

徳治様近影若林株式会社 SOU・SOU ショップディレクター 徳治達也氏

―ライブ配信をスタートしてみて気づいたことは?

徳治氏:最初は、商品紹介よりも楽しく観ていただければいいかなと思い、冗談やくだけた感じの内容が多めの配信をしていたんです。するとお客様から「もうその辺(お笑い要素)はいいから、ちゃんと商品紹介してよ」や、たたんでいる商品を見せたときに「ちゃんと広げて見せて」などのコメントをいただくようになりまして。商品のことばかり伝えて宣伝っぽいのは面白くないだろうと思っていたのですが「そうなのか!」と驚きました。そこから、楽しさと商品をきちんと紹介することのバランスをとるように心がけるようになりました。お客様のコメントは本当に大事ですね。

 

―各店舗からの日替わりライブ配信はどのような取り組みをしていますか?

徳治氏:各店舗のスタッフが多いわけではないので毎日配信するのは大変です。しかし毎日同じ時間に配信することで、お客様から「この時間に見たら必ずやっている」と覚えていただくことは重要だと思っています。お客様にもSOU・SOUのライブ配信を観ることを習慣化していただくというか、生活にずっと入り込んでいる感じでしょうか。

配信する内容は、基本的には各店舗の店長が考えています。全員で集まって打ち合わせを行うのは難しいので、セリフや話す順番をあらかじめ共有しています。「毎日配信」と決まっているので、繁忙期には店舗同士でお互い手伝いに行くなど「絶対にやる前提」で協力しあってスケジュールを管理しています。

DSCF2733SOU・SOU 店舗からのライブ配信の様子

2022年の11月末からFireworkを導入して、スタッフ全員が新しいツールを使いこなせるか心配もあったのですが、その前に2年ほどライブ配信自体の経験を積んでいたせいか、案外スムーズでした。導入後はホームぺージでのライブ配信と、SNS同時配信機能を活かして、YouTubeとInstagramにも配信を行っています。

ライブ配信では「ショップクーポン」を毎日発行していて、パネルで4桁の数字をライブ中に映します。その数字をネットショップで買い物をするときに入力したり、店舗で会計時に伝えていただき、割引するようにしています。


動画がもたらす購入体験がCVRと平均購入額の向上へ

―Fireworkを導入して感じる効果は?

まずはネットショップではクーポンの使用率がぐんと上がっています。店舗のほうでも体感ではありますが、クーポンの使用数からもライブ配信やアーカイブ動画を観て下さっている方々が増えていると感じています。店舗だとショップクーポンの数字を伝えてくださることで「動画を見ているお客様だ」とわかるので、その切り口から会話も広がるんですよね。また、オリジナルのテキスタイルを売りにしているブランドなので、画面越しではありますが、素材感やディテールがより鮮明に伝わったほうが、購入を検討しているお客様の安心感につながるので重要だなと考えています。実際に導入してからは、動画の画質を「きれいになった」「見やすくなった」とお客様から褒められることも増えました。

また、20時にSOU・SOUのホームぺージを開いていると、勝手にPIP(ピクチャー・イン・ピクチャー)の形で画面内でライブが始まるようになったので、私は「おせっかいライブ配信」と呼んでいるんですが(笑)、ライブを観る目的でサイトを訪れたわけではないお客様にも、能動的にアプローチができるようになりました。

そしてホームページにアーカイブが残せて、配信動画上にウェブ上の商品ページへのリンクが設定できる点も大きなメリットです。SOU・SOUは品数が多く、InstagramやYouTubeなどで配信してその商品に興味を持っていただいても、サイトから該当商品を探し出すのが難しかったのですが、商品カードを表示できることで、紹介した商品の購入までスムーズに遷移できるようになりました。また毎日配信ということでアーカイブ動画の本数が多く、過去の配信動画が埋もれがちだったのですが、Fireworkからの提案で、子供向けや小物特集など、動画のコンテンツごとにカテゴリー化して表示する工夫をしたことで、アーカイブが見つけやすくなりました。アーカイブ動画を視聴して購入するお客様も多く、こういった改善も含めて効果に繋がっていると思います。

SOUSOU様スクリーンショット候補4アーカイブ配信イメージ(SOU・SOU公式サイトより) 

実際、ライブ配信またはアーカイブ動画を視聴者のコンバージョン率(CVR)は、非視聴者にくらべ6倍強となっています。また動画視聴者の購入単価は、非視聴者にくらべ大幅に高いことも特徴です。EC全体の訪問者の中で、動画視聴者は10%ほどですが、この10%の方々による購入金額の合計はサイト全体の売上額の50%を超えます。SOU・SOUのファンの方に、欲しい商品に動画からつながる購買体験や、ライブ配信によるコーディネートの紹介をすることで、さまざまな相乗効果が生まれています。

海外向けにもFireworkを使って海外のスタッフが別途ライブ配信をしています。現在ウェブショップの売上の40%程は海外が占めているので、国内外ともにライブを観られた方の購入するコンバージョンレートが上がっているのは、非常に大きな点です。

 

―今後の課題や取り組みの予定は?

徳治氏:スムーズに毎日ライブ配信を実現することで手一杯だったのですが、これからはより細かく数字を見て、PDCA(Plan Do Check Action)サイクルを回していきたいです。導入当初からFireworkのカスタマーサクセス(CS)チームにサポートをいただいていて、店頭に「ライブ配信をやっています」というQRコード付きのパネルを置くアイデアも提案いただきました。今後も新たな取り組みに向けた提案を積極的に検討し、新しいKPIの設定など、並走していただけたらと考えています。

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