コンテンツ戦略における効果的なストーリーテリングの方法

ストーリーテリングと聞くと、有名な作家や脚本家が真夜中までタイピングしている姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか？かつて偉大なストーリーテラーたちが生み出した本や映画が、現在でも読まれたり、見られたりしていることは言うまでもありません。しかし、あまり知られてはいませんが、世界の大企業の裏にも想像力豊かなストーリーテラーたちが働いているのです。

本記事では、ストーリーテリングの重要性と効果的なやり方について解説していきます。

コンテンツ戦略におけるストーリーテリングとは？

コンテンツ戦略におけるストーリーテリングでは、ターゲット視聴者の感情に訴えかけるストーリー・アークの基本的な原則を活用します。ストーリーテリングでは、商品やサービスの種類や提供方法に焦点をあてるのではなく、なぜその商品なのかに焦点を当てるのです。

大手ブランドや最も成功しているマーケターはストーリーテリングを使っています。なぜなら、ストーリーテリングをうまく活用すれば競合他社よりも優位に立つことができ、失敗と成功の分かれ目になるからです。

ストーリーテリングが重要な理由とは？

ストーリーテリングに焦点を当てたコンテンツは、視聴者の関心を惹きつけるのに最も効果的な戦略の一つです。ほとんどの業界が競争で溢れていることを考えると、消費者は商品そのもの以上の何かを求めていることが分かります。

もちろん、商品の品質が重要ではないと言っているわけではありません。ただそれ以上に、消費者は繋がりを感じたり、価値観が最も一致する企業やブランドにお金を投資しようと考えるのです。

では、ブランドのストーリーは実際にどれほどの力をもつのでしょうか？関連する研究では、コンテンツ戦略にストーリーテリングを効果的に使った場合、商品の価値を20倍近くまで引き上げられることが明らかになりました。そのため、ブランドにとって正しいストーリーを築き上げることが、そのブランドを成功へと導いてくれるのです。

ストーリーテリングの効果的なやり方

ストーリーテリングの価値の理解が重要であることは間違いありません。しかし、正しいストーリーを作り上げることこそが、顧客が繋がりを感じて関心を示すブランドを作り出す必須条件なのです。

上述したことを考慮してこの項目では、実際に活躍しているトップマーケターが使っているストーリーテリングの成功事例について分析してみましょう。重要な原理をいくつか理解することで、真の意味でターゲット視聴者の心に響くストーリーを築き上げられるでしょう。

ゴールデン・サークル

ゴールデン・サークルとは、成功しているブランドに共通しているストーリーテリングの理論です。有名な作家であり、元広告の責任者であるサイモン・シネック氏が作り出した用語で、商品の種類や機能性に焦点を当てるのではなく、「なぜ」その商品なのかに焦点を当てるべきである、と言います。

一見、ゴールデン・サークルという概念は常識に反しているように見えるかもしれません。ユーザーはその商品が「何」であるかを理解する前に、「なぜ」その商品を選ぶべきかを考えるというのですから。しかし、その理由は至ってシンプルです。

なぜなら、マーケターは顧客の感情に訴えかける必要があるからです。商品やサービスの種類や機能性を説明することは、あくまで顧客の脳の分析的な部分に訴えかけることなのです。つまり、「何」をしているのかではなく、「なぜ」それをしているのかを訴求することが重要です。

ストーリー・アーク

偉大な作家やディレクター、ストーリーテラーたちは、いわゆる「ストーリー・アーク」を築き上げる重要性を理解しています。ストーリー・アークでは登場人物、対立、解決の3点に焦点を当て、各過程でそれぞれが視聴者を惹きつけるために目的を果たしています。

・登場人物：ストーリーの登場人物は、ブランドと視聴者を結びつける存在です。登場人物が繋がりを感じる人というだけではなく、自分と重なる人が理想です。そのため、成功しているストーリーテリングはバイヤー・ペルソナの作成から始まります。その結果、視聴者の心を掴むストーリー・アークを構築できるのです。

・対立：ストーリー・アークの対立は、ブランドと顧客との繋がりを築くのに役立ちます。コンテンツ・マーケティングでは通常、対立は視聴者が感じている弱点や問題点を表しています。そのため、対立を明確にすることにより、商品やサービスが解決してくれる弱点も明確になるのです。

・解決：ストーリー・アークの解決は、登場人物が直面している対立への答えや解決策をもたらします。良い解決はストーリーを完結させるだけでなく、次のステップへの道しるべを明確にしてくれます。マーケティングでは、解決によって顧客が実際の行動に移るように誘導します。

動画を用いたストーリーテリング

本記事では、ストーリーテリングの重要性と効果的なやり方について解説してきました。顧客を惹きつけるために重要なストーリーテリングを効果的に行うためには、ゴールデン・サークルとストーリー・アークの考え方を理解しておく必要があります。

マーケティングにおけるストーリーテリング・コンテンツ戦略にはさまざまな形式があります。ほとんどのマーケターは文章形式のコンテンツのみを採用しますが、動画を通したストーリーテリングの可能性を見出しているブランドが増えています。

優れたコピーライティングには、ウェブサイトのページから直接言葉を抜き出し、創造的にブランドのストーリーを表現する独特の能力があります。その上動画コンテンツは、マーケターがブランドに合ったスタイル、語り口、そして音楽さえも用いて視聴者を惹きつける新しいストーリーテリングの方法となっています。

Fireworkでは、動画によるストーリーテリングを新たな方向へと展開しています。ソーシャル・メディアのユーザーを魅了したストーリー形式を、マーケターが自社のウェブサイトに掲載できるようにしました。それによって、今日の視聴者の集中力持続時間に見合った動画を作り出すことが可能になります。動画によるストーリーテリングの方法について詳しく知りたい方は、以下のリンクをクリックしてください。

本ブログは「How to Add Storytelling to Your Content Strategy」の抄訳となります。