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ストーリーテリングとウェブストーリーの重要性

ウェブストーリーは、シンプルなメディア消費を好む近年の視聴者のニーズに対応しているだけでなく、その形式に特徴があります。この記事では、ストーリーテリングの進化やウェブストーリーの重要性、その特徴について、実例を交えながら解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

ライター:ジェイソン・ホーランド

近年、ストーリーテリングの重要性が増していますが、特定のブランドや視聴者に向けて、配信者はどのようにストーリーテリングを実行したらよいか理解できているでしょうか?

ウェブストーリーによって、ストーリーテリング要素の再活用して、多様なコミュニケーションチャネルやメディアで展開することを可能になりました。

おそらく多くの配信者は次のような質問をチームに投げかけるでしょう。ワクワクするような新しいコンテンツを作り出すにはどうしたらよいのか?新たな目的に基づいたストーリーを、複数のプラットフォーム上で多様な視聴者層のニーズに応えるものにするにはどうしたらよいのか?そして特筆すべき質問は、これらの新しい形式のサービスを提供するだけの柔軟性がブランドにあるのかどうか?というものです。

本記事では、ストーリーテリングの進化やウェブストーリーの重要性、その特徴について解説していきます。

 

ストーリーテリングの進化

大手スポーツメーカーのナイキでは、利用可能なすべての媒体においてストーリーテリングをうまく活用しています。ストーリーテリングのリーダー的存在であるナイキによるアプローチから、配信者やコンテンツ制作者、他のブランドは何を学べるでしょうか?

ストーリーテリングを研究している多くのコミュニケーション専門家は、子供のころから慣れ親しむ物語のストーリーテリングと、多くの大人が強い反応を示すストーリーテリングとの違いを認識しています。

ジョセフ・キャンベルの「1000の顔を持つヒーロー」は、ブランドのストーリーテリングにおける「ヒーローの旅路」を描いています。これは、コンテンツクリエイターや配信者の事例にも応用できます。ジャーナリスト達が日々書いているようなワクワクするストーリーを見せてくれるのです。

ナイキは、常にその旅路の中心に視聴者を置くことをテーマにしてきました。彼らのブランドは、世界各地で人々が直面する障害を克服するために団結を促すものだからです。ナイキはキャンペーンを通して、「ナイキ」というブランドはスポーツのためにあると訴えたのです。

貴社にとって最も誇りに思えるストーリーは何でしょうか?そして、それをウェブストーリーに変換するにはどうすればよいでしょうか?配信者としてぜひ考えてみてください。

 

ウェブストーリーの重要性

ウェブストーリーは、モバイルに馴染んだ視聴者のニーズにしっかりと対応しています。なぜなら、彼らはよりシンプルなメディア消費を求めているからです。そのため、短い動画によるストーリーテリングに基づいたウェブストーリーは、視聴者の心を惹きつけるものになっています。

また、ウェブストーリーは、Snapchat Discoverが開拓した、タップできて気軽に楽しめる縦型ページの連続と同じ形式であり、ソーシャルメディア上でのストーリーに近い構造になっています。そのため、視聴者は無限に思えるほど多くの、素早く展開する動く画像や動画を視聴することができます。

さらに、ウェブストーリーはさまざまな分野で革命的存在になろうとしています。なぜなら、TikTokの制作者からThe New York Timesのジャーナリストまで、皆がこの形式を簡単に作成できるからです。視聴者の集中力持続時間が短くなり、地元のニュースやケーブルテレビへの関心が薄れている現在、従来のメディアはコンテンツの提供を考え直す必要があります。ESPN、Fox SportやThe Financial Times等の最先端のメディア配信者はストーリー形式でのコンテンツ提供の試みを続け、複雑なストーリーを分割し、ソーシャルメディアプラットフォームで1度に1クリック、そして1タップでストーリーを配信しています。

 

The New York Timesによるウェブストーリーの革新

The New York Timesは、ソーシャルメディアにおける最新のウェブ形式でのストーリーテリングの素晴らしい事例として挙げられます。その理由としては、ウェブストーリー(動画、写真、またはキャプションの有無に関わらず)に適した様々なマルチメディアを結び付け、すべてが一つの特定のトピックに集約するようになっているからです。すべてのウェブストーリーのページは、新しい要素をクリックするようになっており、特定のトピックに焦点を当てています。つまり、縦型のスクリーンと非常に短い集中力持続時間に的を絞って構築されたジャーナリズムのようなものです。順番に並んでいるので、視聴者は情報を一度に一つずつ取り入れながら徐々にストーリーに入り込んでいくことができます。それがまさにこの形式の優れている点です。詳しくはこちらのリンクをクリックしてください。

また、The New York Timesが採用したもう一つのストーリーの種類は、Buzzfeedが開拓したまとめ記事やガイドストーリーモデルです。情報が1つ掲載されたページが一口サイズの情報の続きを作り出し、一つずつ繰り広げられる要素のコラージュとなっています。

 

ウェブストーリーの3つ特徴

ここまで、ストーリーテリングの進化とウェブストーリーの重要性について紹介してきました。この項目では、現代のウェブストーリーの3つの特徴について紹介していきます。

1.想像力を活かせる

メディアがストーリー形式でコンテンツを配信する際、使用できるストーリーの種類は無限にあります。ジャーナリスト的なコンテンツであれ、まとめ記事であれ、この形式は現代のストーリーを通して情報を形作る新しい方法をメディアの発信者に提供しています。

 

2.「なぜ」に答えつつ、「どのように」ストーリーを語るかにかかっている

コンテンツの内容に関わらず、ウェブストーリーによって視聴者の心に響く形式でコンテンツを作ることができます。ストーリーテリングは、ストーリーを通して感情を伝え、共有することを可能にしてくれるので、ウェブストーリーは視聴者にコンテンツを配信する理想の形式です。モバイル視聴者がメッセージの構成要素を一つずつ吸収することを可能にし、モバイル視聴者の関心を維持するのに役立ちます。The Washington Postは、ウェブストーリーを使って優れたストーリーテリング効果をもたらした素晴らしい例として挙げられるでしょう。

 

3.気軽に楽しめるコンテンツに役立つ

ウェブストーリーは、いかなる情報も気軽に楽しめるコンテンツに分割する最適な形式です。視聴者がウェブストーリーのページをタップしながらストーリーに入り込み、幅広い視点の中にある詳細までを見れるように促しましょう。そして夢中になれるような体験を作り出し、縦型スクリーンに合わせたコンテンツに関わり続けられるようにしましょう。さらには視聴者にコンテンツに関わっていると感じさせ、ストーリーがコンテンツを超えて記憶に残るようにしましょう。
ウェブストーリーについてさらに知りたい方は、こちらのリンクをクリックしてください。

 

本ブログは「Storytelling and Why Web Stories Matter to Publishers!」の抄訳となります。

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