ライター:Priyam(プリヤム)
我々は、「読む」という体験しかできなかった制限的なWeb1.0時代から長い道のりを歩んできました。そんな初期のインターネットを経て、次はFacebookのような消費者の参加を促すソーシャルメディア・プラットフォームに支配された、中央集権的なWeb2.0の時代へと突入しました。
そして今、Web3.0の時代がすでに到来しています。分散化されたオープンなウェブ体験は初期のWeb1.0に似ていますが、Web3.0では情報の流れやデジタル資産へのアクセスを間で管理するステップが存在しません。しかし、Z世代やミレニアル世代などの新時代の消費者にとって、動画が事実上のコミュニケーション・メディアとなりつつある今、”参加型”という要素がより重要視されるでしょう。
Fireworkの最新ウェビナーでは、動画が今注目を集めている理由、消費者行動の進化、そしてオムニチャネルなどのデジタル変革を支えるライブコマースのおかげで、コマースが分散化しながらも互いに密接に関係し合っていることについて言及しました。
このブログでは、ジェフ・ルーカス(Firework CRO)、ヴィンセント・ヤン(Firework 共同創設者兼CEO)、ブライアン・パールマン(Firework DTC責任者)による、洞察に満ちた会話の抜粋を収録しています。全編をお聞きになりたい方は、こちらのオンデマンドセッションをご覧ください。
Web3.0がステークホルダーにもたらす意義とは?
初期のインターネットは、消費者が積極的に情報を求めていたため、検索に重点を置いていました。続くWeb2.0ではプラットフォームに焦点を当て、中央集権的なエコシステム上でソーシャルネットワーキングを生み出しました。そしてWeb3.0では、「オーナーシップ」に焦点が当てられています。
- 消費者:新時代の若い消費者たちは、あらゆる体験を自分のものにし、その過程でデータのプライバシーも管理したいと考えています。
- クリエイター:「クリエイターエコノミー」は、コンテンツクリエイターがクリエイティブなプロセス、コンテンツ、ブランドを自らコントロールできるようにします。
- ビジネス:数々のブランドは、より良い体験を広く提供するために、ファーストパーティデータを所有することの重要性を認識しています。
「読む」だけの非インタラクティブなECサイト
実は、ECの97%はオープンウェブ上のウェブサイトで行われています。現在、3億5000万以上のウェブサイトが存在し、毎日60万近いウェブサイトが新たに作成されています。このように、クローズドプラットフォームは分散型のウェブサイトエコシステムへと急速に移行しつつあります。
統計によると、2018年以降、1人あたりの1週間のオンライン動画視聴時間が倍増しています。
メディア消費に費やす時間のシェアはデジタルに大幅に偏り、2022年には全体の62%を占めると言われています。
しかし、そのデジタル体験こそが、今日の重大な課題です。消費者がソーシャルメディアプラットフォームでより多くの時間を費やすのは、短編コンテンツとモバイルに最適化されたスワイプ可能なコンテンツです。
一方で、ウェブサイトでは文章と画像で構成された旧態依然なナビゲーションが未だに活きています。データによると、75%の消費者がウェブサイトを10秒未満しか見ていません。それに対して、ソーシャルメディアユーザーは、ショート動画コンテンツを2時間弱も視聴しています。その結果として、ウェブサイトにおける体験は定着性に欠け、離脱率が高くなるのです。
Web3.0のような真の分散型オープンウェブ体験を実現するためには、ブランドはコンテンツとコマースをシームレスに統合する、パワフルで没入感のある動画メインのコンテンツを作る必要があります。
eBook「デジタルトランスフォーメーションの新しい言語:ライブコマースは、ショッピングだけでなく、多くのことを変革させる勢いがある」
ここからダウンロード可能です。
Z世代の消費者にとって、モバイルに最適化され、動画を駆使したライブコンテンツが最も主要なコミュニケーションツールです。彼らは、オフラインとオンラインの世界をより近づけるような、よりインタラクティブで統合された体験を求めているのです。
- Firework共同創業者兼CEO、ヴィンセント・ヤン氏
ライブコマースによる進歩的なEC体験の構築
今ブランドには、参加型で楽しめる、エンドユーザーに価値と利便性をもたらすような没入型の購買体験を生み出すこと、そしてインタラクティブで動画ファーストな体験に軸足を移すことが求められています。
Monnari や American Girlなどのブランドが、Fireworkを用いて商品を購入できるショート動画やインタラクティブなライブコマースを導入し、顧客とのより密接で良好な関係性の構築に成功しています。
直接商品を購入できる動画やライブ配信などのコンテンツは、第一印象からコンバージョンに至るまで、統合されたインタラクティブなコマース+コンテンツ体験を楽しめるECのパラダイムシフトに力を発揮しています。
例えば、ライブコマースでは、消費者はリアルタイムでブランドとつながり、主催者や他の視聴者と交流し、同じコミュニティを通してオンラインショッピングの利便性を享受できます。
急成長を遂げた中国から学ぶライブコマースの威力
出典 PanDaily
ライブコマースの急速な普及は何ら驚くことではありません。中国でのライブコマースは、2022年までに約6,000億ドル(※約83.2兆円)の市場価値を生み出すとされています。つまり、中国のEC売上の50%近くが国内のライブコマースによってもたらされることになります。ライブコマースのトッププラットフォームであるTaobao Liveは、2021年に760億ドル(※約10.5兆円)の市場価値を生み出し、Alibabaの総EC収益の21%近くを牽引しています。
ライブコマースは「shoppertainment=ショッパーテイメント」を最前線に押し上げており、動画を活用したインタラクティブなオンラインショッピングソリューションは以下のようなさまざまな課題を解決してくれます。
- 商品の発見から検討、購入までのギャップの縮小
- より高いレベルの商品やサービス理解度を実現する没入型動画レイヤーの構築
- 複数の関係者(ブランド、インフルエンサー、コミュニティ)間のリアルタイムな交流
Web3.0でライブコマースがどう活きるか
・ライブ配信の頻度を高くすることで、消費者の視聴ルーティンを生み出し、関係性を構築する
・小売店の店頭を活用し、本格的なフィジタル・ショッピング体験を提供する
・実際の販売員を活用し、一般消費者の共感を得られるオーガニックなコンテンツを作成する
・ライブショッピングをデジタルプロパティ(ウェブサイトやアプリ)の中心に設置する
ライブコマースの導入により、ブランドは消費者のエンゲージメントと購買意欲を大幅に向上できます。Fireworkを利用したブランドには次のような結果が出ています。
→400% のエンゲージメント向上(ユーザーごとのセッション時間)
→3倍のコンバージョン率(カートに入れる確率)
→3倍のリテンション率
現代の消費者の注目を集めるためには、ブランドは進化する顧客動向をより的確に把握する必要があります。消費者は、もはや商品だけを求めているのではありません。彼らは、複雑なストーリーテリングによって魅力的なデジタル体験を作り上げる、目的志向のブランドへの投資を望んでいるのです。
フィジカルとデジタルの融合により、オムニチャネル・デジタルトランスフォーメーションが重要視されています。ビジネスの果てしない成長を実現するために、ブランドは、ショート動画、ライブ動画、統合ショッピングなどを用いて、リッチで没入感のある体験の構築に投資する必要があります。
ライブコマースに関するコンサルテーションをご希望の方は、是非ご予約・お問い合わせください。