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導入前の課題
販売チャンネル拡大のため自社サイト内にライブ配信や動画コンテンツを取り入れ、直接的なお客様へのリーチを模索
ーーFirework導入前に感じていた課題について教えてください。
後藤様(Marketing Manager):
「コアラマットレスは2017年に日本市場へ参入し、公式サイト(.com)を中心に販売してきました。特に2020年のコロナ禍では家の中に投資する方が増えたことで売上も大きく伸びたのです。しかし、2021年に入るとお客様の関心が外へ向かい始め、売上が伸び悩むようになりました。」
ーーその中で新しい施策として動画マーケティングに注目されたのですね。
後藤様「当時は販売チャネルの拡大を模索していて、マーケットプレイス(アマゾン、楽天など)内でライブコマースを試したこともありました。以前から動画やライブ配信の重要性を感じており、今までもInstagramライブ配信は何度かチャレンジしてきました。KOL (Key Opinion Leader キーオピニオンリーダー - 商品販売に影響力を持つ人)を呼んでみたりなどしたのです。でも、いずれも外部プラットフォームでの取り組みでしたので、自社サイトでもライブ配信や動画コンテンツを取り入れることで、もっと直接的にお客様にリーチできるのではないかと考えました」
ーーインスタライブだけでなく、自社サイトでのライブ配信を検討されたのですね。
後藤様「はい、Fireworkはライブコマースはもちろん、ショート動画を設置できる点も評価しました。特に、一番魅力に感じたのは同時に全部のSNSに配信できるというところ。Instagramだけでなく、自社のサイトにも置けて、複数プラットフォームでも使えるというところが良いと思いました。」
北越様(Senior Marketing Operation Specialist):
「WEBサイトに来たお客様の多くは最初の数秒で読むか読まないかを判断されるので、パッと見て惹きつけられるコンテンツがあるといいですよね。例えばワイングラスチャレンジで『本当だ、倒れない』となったら、詳しく読んでみようかとなります。動画は最初のいいキッカケになっていると思います。動画なら、圧縮梱包が開く瞬間や倒れない耐久性といった面白さを伝えることができます。今主流になっている縦型動画を活用して、どう見せるかが新たな課題でした」
活用内容
ライブ配信とショート動画を活用!データを分析しよりスムーズな施策展開が可能に
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ーーFirework導入後、どのように活用されていますか?
後藤様「最初に取り組んだのはライブ配信です。マットレスの限定モデルの魅力をしっかり伝え、リアルタイムで視聴者とコミュニケーションを取ることを目的に始めました。数量限定商品という特性上、リアルタイムで視聴者に商品の魅力を伝え、コミュニケーションを取りながら販売することで、エンゲージメントを高める狙いがありました。」
ーーショート動画にも注力されているとのことですが。
北越様「現在はショート動画に力を入れています。Fireworkを使えば、CTA(コール・トゥ・アクション)ボタンを動画内に設置できるので、視聴者がそのまま購入ページに進む導線が作れます。例えばセール期間中には、サイト上にフローティング動画を配置して、滞在時間やクリック率の向上を図っています。動画の企画や制作は日本チームで行い、Fireworkの管理画面からプレイリストに追加・編集するなど運用も柔軟にできるのが便利ですね。」
ーー社内体制はどのように構築されていますか?
北越様「動画の企画と制作は日本チームが主導し、オーストラリアのテックチームやEコマースチームとも連携しています。分析にはGoogle アナリティクス(GA)やコンテンツスクエアを活用し、視聴者の行動データをしっかりと把握し、次のアクションに反映させています。また、動画をどこに配置すれば効果的かをABテストしながら改善を続けています。」
導入効果
動画でサイズ感がイメージしやすくなり視聴率や直帰率が改善
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ーーFirework導入によって、どのような効果がありましたか?
北越様「動画を視聴したユーザーのコンバージョン率(CVR)は、非視聴者と比べて明確に高いという結果が出ています。特に“ダブル”や“クイーン”サイズでは購入率が伸びましたね。さらに、限定モデルのプロモーションでもショート動画が非常に効果的で、従来よりも販売スピードが早まりました。」
ーー動画を視聴したユーザーのCVRが高まったんですね?
後藤様「はい、ショート動画を商品詳細ページ(PDP)に配置したことで、特に“セミダブル”や“クイーン”サイズの商品ページでエンゲージメントが向上しました。シングルサイズは比較的イメージがしやすいですが、セミダブル以上のサイズになるとサイズ感が分かりづらい。その点、動画があることでサイズ感をイメージしやすくなり、直帰率が減少し、滞在時間も伸びました。日本の家ですと部屋が欧米よりも小さいので、シングルはだいたいの大きさが分かりますが、セミダブル・ダブル・クイーンと言われると、サイズがマッチするのか分からない。そういう時も、動画だとイメージがしやすく効果的でした。」
ーー社内の評価はいかがでしたか?
後藤様「動画を活用することで、Eコマースチームとブランドチームの連携が強化されました。動画データを共有しながら改善点を議論することで、共通の課題に向き合えるようになりましたね。Fireworkを通じて、トライアンドエラーしながらも連携がスムーズになり、チーム全体の一体感も高まっています。」
今後の展望
インタラクティブな動画体験やAI接客で顧客満足度をさらに向上
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ーー今後、Fireworkをどのように活用していきたいと考えていますか?
後藤様「今はショート動画に注力していますが、せっかくFireworkを導入したので、ライブコマースも両方やっていきたいという意志はあります。また、今後はインタラクティブ動画を通じて、選び方のガイドやFAQコンテンツを充実させたいですね。お客様がマットレス選びで迷わないよう、分かりやすくサポートするコンテンツを強化していきます。」
ーーライブ配信についても計画があるのでしょうか?
北越様「はい。ライブコマースに加え、販売を主目的にしないライブ配信も強化したい。
当社の商品は単価が高く、また初めてコアラを知る方にとっては商品の理解が難しいこともあるので、質問にその場で回答するなどのサポートが必要と考えています。また、ライブ配信で、商品紹介だけでなく、ブランディングも行っていきたいと考えています。具体的には、セレブリティや専門家を招いて「眠り」について語るイベントを企画し、その中で自然に商品に触れてもらうことで、視聴者のエンゲージメント向上を目指します。」
ーーブランディングを意識された配信について、詳しく教えてください
北越様「すごくロングタイムなのですが、中長期的にはコアラのファンを増やすのが大切と考えています。弊社はユニークな社員の人が多いので、彼らがライブ配信に出演して話すことで中の人だからこそわかるリアルさも伝えたいです。また、意外なセレブリティに登場してもらったりすることでそういう徐々にブランディングにもつなげるなど、色々なアイデアがあります」
ーーFireworkへの期待も含めて、今後の展望をお聞かせください。
後藤様「FireworkのAI接客機能には大いに期待しています。インタラクティブ動画を通して接客をし、リアルタイムでお客様の疑問を解消できる仕組みが整えば、顧客満足度はさらに高まると思います。
北越様「私は、Fireworkとコアラマットレスを通じて、お客様に“楽しい”買い物体験を届けたいと思っています。様々なアイデアを無限大に発想できるところにやりがいを感じています。インタラクティブ動画やライブ配信などFireworkを活用することで、コアラブランドのファンを増やし、長く愛される存在になるようなコンテンツや施策を行なっていきたいですね。」
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このプロジェクトのFirework担当者のコメント
大島 翠 / Sr. Customer Success Manager, Customer Success
「コアラマットレスの皆様とは、今年の夏から動画制作や施策について密にご相談させていただいています。特に、アイデアのブレスト力や実行のスピード感が素晴らしく、私たちも一緒に形にできることが非常に嬉しいです。来年はライブ配信やショート動画など、さらにコンテンツ制作を軸にサポートを強化し、年間を通じて効果的な施策を展開できるよう伴走していきたいと思います。」
関井 奈津 / Creative Director, Contents & Operations
「コアラマットレスはシンプルな商品だからこそ、動画がユーザー行動をどう変えるのかが明確に見えてきます。特に、サイズごとの検討傾向やエンゲージメントの伸びなど、分析結果をもとに新たな価値提供ができる点が面白いです。来期はFireworkの枠にとらわれず、コアラ様の課題解決に向けた自由な提案を積極的に進めていきたいと思います。」