マップボックス・ジャパン合同会社(以下、マップボックス)は、地図テクノロジーのインベンターである米国マップボックスと、ソフトバンクがサポートして2020年3月に設立されました。現在では情報技術の革新に伴い、より多くのヒトやモノがインターネットと繋がっています。常時あらゆるリアルがデジタルと繋がる世界が到来し、地図がその間を介在する役割を果たしています。その未来を地図の革新により実現する、そんなビジネスビジョンを体現するのが同社の地図開発プラットフォームです。
しかし、地図という概念の革新を目指すサービスを画像やテキストだけでユーザーに理解してもらうことは容易ではなく、そうした課題に対し事例紹介やアカウントの登録方法を分かりやすく解説するのがFireworkのショート動画です。リード(見込み顧客)獲得、認知度向上、サインアップ数増を目指す戦略について、同社の広報を担当する山家 千晶氏とマーケティングの水上 智臣氏に語っていただきました。
Fireworkの手厚いサポートで導入時の不安を解消
Firework導入当時の状況を話す山家 千晶氏
山家氏:まず当社の事業内容は初めてのお客様にとって分かりづらい点があります。『Mapbox』は地図データの上に様々な情報を組み込み、ウェブサイトやモバイルアプリにデジタル地図として組み込めるプラットフォームです。無形商材のため、有形商材に比べサービス内容を説明するのが難しく、いつもどのように紹介すればいいのだろう、と悩んでいます。その課題を解決するために、従来のテキストと画像を使ってではなく、動画によりサービス内容を説明できないかと考えました。そうした際に、同じソフトバンクさんから出資を受けている縁もあり、Fireworkについて導入を検討することになりました。
―導入にあたっての懸念点はありましたか?
山家氏:当社はそれまで動画を制作してきた経験がなかったため、人材面やノウハウなど多くの面で不安はありました。さらには、MapboxはB2Bかつ無形商材ということで、相応しい素材を準備することができるのか、またお客様にサービス内容を理解いただける動画を制作できるのか、といった懸念点もありました。
―そのような懸念や不安は解決できましたか?
山家氏:導入時のFireworkさんによるサポートが素晴らしかったことで、導入前の課題や不安は解消されました。例えば、(弊社が)どのような動画を制作するか悩んだ時に、Fireworkさんのオフィスに伺って丸一日かけてのブートキャンプを行ってもらいました。内容としては、Fireworkのクリエイティブチームによる動画制作に関するワークショップでした。どのような動画がバズるかにはじまり、動画のタイトルや説明文の付け方に至るまで、視聴者を惹きつけるノウハウを丁寧に教えてもらいました。
特に動画制作にあたってネタ作りに悩んでいたので、クリエイティブチームの皆さんとの間で、当社の強みについてブレストしたうえで、こういった動画を制作しよう、といったアイデアへの落とし込み方を一緒にディスカッションできたのは良かったです。
その後もFireworkさんには、どのようなコンテンツを制作するかウェブサイト上で継続的に調査していただいているほか、当社が持つ画像などのアセットをどのようにして映像を制作する時に活用するかの提案もしてもらっています。また、Fireworkを操作していて不明な点が出てきても、チャットツールなどで連絡すると、すぐに回答してくれます。サポート体制の充実から安心して使用できています。
動画による伝わりやすさで滞在時間が約200%に
―Fireworkの導入にあたって、御社内でどのような評価が行われましたか?
山家氏:実際にFireworkを導入するかを判断するにあたり、ホームページのトップページ右下に動画を設置しその効果を計測しました。動画を設置した場合に当社の資料をダウンロードした人が増えるという結果が得られたため、動画があるほうが効果が出るという確証が得られ、Fireworkを導入してみようという結論に至りました。
―Firework導入後の活用方法は?
山家氏:例えば、当社のウェブサイトでアクセスが多いコンテンツの一つにプライバシーポリシーのページがあります。ただプライバシーポリシーのページには法律的なことが書かれているだけなので、当社がどのような会社であり、サービスを提供しているのか、ページの訪問者にとって全然わからない内容となっています。それなら、そこに動画を設置してみればいいのではないかという話になりました。
水上氏:当たり前なのですが、「プライバシーポリシーのページは面白いことが書いていない」。せっかく訪問者がページを開いてもすぐに離れてしまう、いわゆる直帰してしまうことになります。それではもったいないので、少なくとも当社が何の会社でどんなサービスを提供しているか、ぐらいの情報は持ち帰ってもらおうと。文字しかないページに動画を設置すれば、名前ぐらいは覚えてくれるかなと考えました。
―実際に効果は上がりましたか?
山家氏:例えばエンゲージメント時間については、以前はそれこそページが開いてすぐに閉じるぐらいの時間でした。Fireworkの動画を設置してからは、設置前の平均からおよそ200%伸び、実際に視聴していただいていることが分かりました。そこには当社の概要についての動画を設置し、視聴者がクリックするとトップページに遷移するように設定しました。かなり多くの人が動画をクリックしており、当社について何かしらの情報を持ち帰ってもらえました。
Firework導入により感じた手応え、山家氏
水上氏:当社はブランドのメンタル・ペネトレーションを高め、消費者がMapboxというサービス名について「何か聞いたことあるな」、というポジショニングを確立していきたいです。そういった取り組みを通じて、より多くのリードを獲得していくことを目指しています。
動画の情報量を活かした戦略の展開へ
―今後の展開について教えてください。
山家氏:Fireworkの強みであるライブ配信を活用したウェビナー開催と同時に、サイマル配信機能も使ってSNSへの同時配信を考えています。ウェビナーの内容についてもMapboxの機能や実現可能なことを説明するほか、実際に当社のウェブサイトからサインアップしてもらうような内容を検討しています。
もうひとつは、新しいプロダクトのローンチやブログ、ニュースで新しいコンテンツを発信する際に、1分程度の短尺動画でまとめて配信することです。最近は時短動画が消費者に受け入れられやすくなっています。ウィークリーのニュースレターなども含めて、どんどん動画にして配信していきたいなと考えています。
水上氏:今年の上期は、イベントに多く参加するという計画を立てていたので、パンフレットなどは準備していたのですが、動画など視覚に訴えるプロモーションの素材が不足しています。こうした状況に対応するため、これまでの当社の実績を基に事例動画を活用しようとしています。当社のクライアント企業の事例を使用し、地図が実際に動く様子を視聴者に見せることで、視覚的に当社のサービスが訴求できるような動画を制作できるように、Fireworkさんのクリエイティブチームにサポートをお願いしています。また、この事例動画の完成によって、当社の事例動画のパターンが確立するので、それ以降は容易かつ安価に事例動画の制作が可能になると、Fireworkさんのクリエイティブチームからはアドバイスをいただいています。
Fireworkを導入して動画を設置するようになり、プライバシーポリシーのページで直帰率の改善などすでに効果が現れています。今後も、当社ではリード獲得、認知向上、サインアップ数の増加を実現するため、動画がどういった形で貢献するか、分析をしながら活用方法について、Fireworkさんとともに考えていきたいです。
ニュース動画の配信など今後の活用にも意欲を見せる、山家氏