ライター: Priyam(プリアム)
実店舗に出向き、購入前にいくつかの選択肢を検討していた時代を覚えていますか?
このような従来の小売体験は過去のものとなり、ブランドは常に進化を続け、顧客に最適なデジタル体験を提供するようになりました。
従来のEコマースは90年代に盛り上がりを見せましたが、それ以降Eコマースの体験は、あらゆる場面でイノベーションを起こしながら着実に進化を遂げています。
融合型リテール体験の可能性を示すために、以下の統計を見てみましょう。
Salesforce社が行った2020年第1四半期の調査が行った2020年第1四半期の調査によると、「オンライン購入し、店舗での受け取り」体験を提供している小売業者は、デジタルでの収益が27%増加したのに対し、このオプションを提供していない企業は13%という低い成長率にとどまりました。
小売の2つの要素(オンライン&オフライン)の融合は、現代のの買い物客が求める’フィジタル体験’(実世界とデジタルの密接な融合による新たな生活体験)を生み出すために極めて重要です。
今回は、小売業におけるオムニチャネルコマースについてご紹介します。
小売におけるオムニチャネル・コマースの活用
オムニチャネル・コマースとは、複数の小売チャネルの可能性を活用し、顧客にカスタマイズされたダイナミックなショッピング体験を提供する小売体験のことです。オムニチャネル・デジタル・トランスフォーメーションの一環として、各ブランドは、顧客がデジタルとフィジカル世界の両方で継ぎ目のないブランド体験に買い物客が参加できるようにします。
高度にパーソナライズされた「フィジタル」体験は、買い物客の離脱を最小限に抑え、ブランド体験への没頭を可能にします。
オムニチャネルのEコマース戦略を活用するために、各ブランドは消費者にライブショッピング体験を提供する必要があります。ネットライブコマース配信は、その出現以来、消費者にとってのオンラインショッピングのあり方を根本的に変えてきました。
例えば、中国を見てみましょう。中国では、ライブコマースの台頭により、小売業が完全に変貌を遂げました。ライブコマースは、半世紀足らずの間に、同国における支配的な販売チャネルとして位置づけられるようになったのです。
Alixpartners社の2020年の調査によると、中国の消費者の3分の2近くがライブコマースでオンラインショッピングをしています。
マッキンゼー社は、2017年から2020年にかけての中国のライブコマース市場の年平均成長率を280%以上と算出しました。
ライブコマース戦略を活用することで、各ブランドは小売店の店頭の価値を高め、忠実な顧客基盤を作ることができます。2つの世界(オンライン&オフライン)の融合は、売上収益を向上させ、ブランドが実店舗とデジタル店舗の両方において、より多くの集客に役立っています。
なぜオムニチャネルが求められるのか? 消費者の行動とは
数年前まで、消費者は店舗に足を運ぶ双方向的な視聴覚体験を好んだため、全世界のショッピングの85%近くが実店舗内で行われていました。しかし、コロナの感染拡大はこの傾向を覆しました。現代の買い物客は、商品を購入する方法として、オンラインショッピングを好むようになったのです。
JungleScoutが実施した調査によると、米国のミレニアル世代の回答者の91%が、実店舗でのショッピング体験よりもオンラインショッピングを好むと主張しています。そのため、各ブランドが消費者を維持し、新しい消費者をデジタル・ストアに惹きつけたいのであれば、オンライン・リテール体験をステップアップさせなければなりません。
ミレニアル世代とZ世代はオンラインストアの最も重要なターゲットであるため、各ブランドは彼らのショッピングの嗜好に対応する必要があります。彼らが好むデジタル体験を調査したところ、Netflix、ソーシャルメディアのリール動画、TikTokなど、動画を活用したライブで没入感のある体験に親しんでいることが明らかになりました。ある調査によると、ミレニアル世代とZ世代の約61%が短い動画(1分未満)の視聴を好んでいることが分かっています。またGoogleの報告によると、55%以上の顧客が、実店舗での買い物中にもオンラインで動画を視聴しているとのことです。
今日の消費者は、製品を超えた体験を望んでいます。このため、よりダイナミックで没入感のある体験を顧客に提供するために、ライブ配信(ライブコマース・ソリューション)を採用するブランドが増えているのです。さらに、目的志向なブランドの動画コンテンツは、カスタマージャーニーファネル(顧客の購買行動プロセス)に沿って潜在的な見込み客を創出しやすくします。
Wyzowl社の報告によると、83%の企業が動画マーケティングによってリードを創出しやすくなったと表明しています。また、ライブ配信は、同じ考えを持つ買い物客のコミュニティを作るため、ますます利用されるようになってきています。例えば、スターバックスは最近、モバイルに最適化されたライブ配信に大きく傾注し、より多くの顧客を引き付け、オンライン上の強力なコミュニティを形成しています。
では、各ブランドはどのようにして消費者にとって最適で魅力的なオンライン・リテール体験を構築すればよいのでしょうか。
現代の消費者に適した小売体験は「動画活用」
ソーシャル・メディア・プラットフォームは、エンターテインメント性の高いブラウジング体験を提供することで顧客の定着率を高めていますが、なぜ小売店では同じような体験が提供できないのでしょうか?
実は、提供できるのです。しかしその前に、「現代の消費者はブランドに対して何を求めているのか」という問いへの答えを出す必要があります。
次世代の顧客は、自分らしさのあるデジタル・ショッピング体験、すなわちブランドやブランドのもつメッセージとの深い結びつきを感じさせる人間的な体験を望んでいます。堅牢なライブ配信を活用することで、各ブランドはダイナミックなデジタル・ショーケースを構築し、ブランドと顧客の間の垣根を取り払うことができます。
この体験は、当事者間のリアルタイムでの相互作用で構成され、ブランドを競合から引き離し、顧客の購買行動をリアルタイムに把握できるようになります。そのため、各ブランドは顧客の直感と購買の間の距離を縮め、より迅速な成約誘導を確保できるのです。
Rihannaの有名な美容ブランドであるFenty Beautyは、一貫してモバイルに最適化したショッピング動画を作成しています。その動画では、消費者がインスピレーションを求め、製品を購入し、ショッピングを楽しむためのエキサイティングな体験が提供されています。Eコマースの巨人であるアマゾンもライブ配信の力を認識し、この新しい商業形式に多額の投資を行い、「アマゾンライブ」を立ち上げました。
Fireworkを用いたブランドのためのオムニチャネルコマース体験
Fireworkでは、賢いオムニチャネル活用法を一貫して利用し、複数のブランドのデジタル・プレゼンスの最適化を支援してきました。
米国第3位の食料品店チェーンであるAlbertsons社は、当社のサービスを利用して一連のインタラクティブなショッピング動画を配信し、消費者が従来の取引方法とは異なり、没入型方法で店の商品を探索できるようにしました。このブランドは現在、平均クリック率(CTR)が4.5%と、業界平均のCTRの4倍を誇っています。
同様に、インド最大の小売チェーンであるビッグバザール社では、サイト上で短い動画を見た消費者の 45% が 'Shop Now'(今すぐ買う) ボタンをクリックしたと報告しています。動画をフルスクリーンで見た場合のCTRは、平均6.79%でした。
アメリカの専門食料品チェーンであるFresh Market社は、ウェブの自然流入を通じて動画の視聴者数が 1 日 3,000 人から 14,000 人へと大幅に増加したことを報告しました。ホームページの平均 CTR は 5.1% で、フレッシュマーケット社のデジタル・パフォーマンスとエンゲージメントは、大きなブームとなっています。
これらの事例は、Fireworkが長年にわたってブランドのために堅実で実用的なデジタル小売体験を構築してきた影響のほんの一部に過ぎません。私たちは、消費者ニーズが日々進化する過当な競争市場において、ブランドが生き残るための支援を行っています。
まとめ
ライブコマースは、いかなるEコマースブランドにとっても現在最も重要な武器です。Fireworkでは、ブランドがこの武器を賢く使いこなし、消費者に、リアルで双方向的な唯一無二の体験を提供するお手伝いをしています。お客様のブランドに対して弊社ができることをお知りになりたい場合は、ぜひ弊社のソリューションアーキテクトによるライブコンサルティングを是非ご予約ください。