Fireworkトレンド

ライブコマースのビジネス活用ガイド

作成者: Firework Japan|22/12/01 2:11

ライター:Pryam(プリヤム)

好きな有名人やインフルエンサーが出演しているライブ配信を視聴しながら、クリック1つで彼らが着ている服と同じものを買えることを、誰もが一度は想像したことがあるのではないでしょうか。そう、それがまさにライブコマースであり、新時代のショッピングなのです!

2016年5月、Alibaba傘下の淘宝直播(タオバオライブ)のローンチにより、ショッピング新時代の幕が開けました。ネット上の定期的なライブ配信とオンラインショッピングを組み合わせることで、中国の巨大EC企業は視聴者に観る楽しみ、参加する楽しみ、そして買い物する楽しみを、同時に提供したのです。

ライブコマースは、商品やサービスの紹介動画を観る楽しさと、それをリアルタイムで購入できる満足感を、完璧に融合させたものです。ライブコマースについて、さらに詳しく見ていきましょう。

 

ライブコマースとは何か?

 

ライブコマースとは、動画配信、バラエティ番組、それにグループチャットの良さをハイブリッドにミックスした、リアルタイム性の高いECの手法です。そのため、ライブコマース、ライブショッピング、ショッピングライブ配信など、さまざまな呼び方があります。

HSNやQVC、ShopHQなどの通販専門チャンネルとよく似ており、インフルエンサーやセレブがホスト役となって生放送で商品を紹介し、視聴者は放送時間中に紹介される商品を買える、という仕組みが一般的です。

「しかしQVCやHSNと違って、ライブコマースはソーシャルコマースの発展形であり、視聴者はチャットや投票機能を通じてホストとやり取りすることができます。視聴者はホストに質問したり、他の視聴者の意見やフィードバックを聞いたりして、商品に関する疑問を解決することもできます。こうした個人的なやり取りの結果、視聴者の商品に対する理解が深まるのです。『いいね!』やその他のリアクションを送ることで、視聴者はライブ配信のアクティブな参加者となり、ブランドは顧客との強固な関係を築くことができます。」

UnilieverやL‘Oreal、Adidasのようなトップブランドは、キャンペーンを成功させるために、KOL(キー・オピニオンリーダー)が主催するライブ配信に定期的に関わっています。Uniliever ChinaのCEO、Rohit Jawa氏によれば、ライブ配信でブランドと消費者が活発にやり取りをすることこそが、チャンネル人気を高めるための鍵だといいます。ブランドは、商品に対する意見をその場で知ることができ、一方消費者は、商品に対する疑問点をブランドや他の消費者とのコミュニケーションを通して解決できます。こうした強力かつ唯一無二のコミュニケーションが、魅力的なオンラインショッピング体験を生み出すのです。

eBook「FireworkでEコマース戦略にX-Factorを追加する」
ここからダウンロード可能です。

 

 

 



なぜライブコマースが人気なのか?

次に、ライブコマースがここ数年で急速に人気を博している理由を紹介します。 

・中国での爆発的な成功

(画像引用元:Forbes

McKinseyによれば、中国でのライブコマース市場は、2017年から2020年の間にCAGRにして280%もの急成長を遂げました。2020年には$171B(※22兆8165億円)の規模に達し、さらにライブコマース総売上は2022年までに$423B(※56兆4408億円)に及ぶと予想されています。2020年に行われた調査では、およそ3人に2人の中国の消費者が、ライブコマースで買い物をすると回答しました。消費者の需要の高まりを追い風に、全体の市場規模は2022年末までに$600B(※80兆580億円)に達する可能性があるとするアナリストもいます。

 

・アメリカの消費者で高まるライブ配信人気

(画像引用元:Bloomberg

中国に比べて、アメリカにおけるライブコマースの市場は、2023年に$25B(※3兆3357億円)に届くと予想される規模にとどまっています。中国での爆発的人気に比べればアメリカ市場はまだまだですが、それでも近い将来、ライブ配信人気が高まることを示す指標もあります。たとえば2018年の調査では、18~34歳の63%にライブ配信コンテンツの視聴習慣があるとわかりました。さらにeMarketerによれば、アメリカのインターネットユーザーのおよそ半数が週に1度はライブ配信を観ており、そのうち約4人に1人は少なくとも1日1回はライブ配信を視聴していると答えたのです。こうしたトレンドは、コロナ禍によってさらに加速しました。さまざまな業界の予測が正しければ、ライブコマースは2026年までにECの総売上中およそ10~20%、つまり$150B(※20兆145億円)以上の規模に成長すると見られています。

 

・メタバースへの移行


(画像引用元:Medium

現実世界とデジタル世界がひとつになった「メタバース」へのシフトが間近にせまる今、消費者は仮想空間でのブランド探索に興味津々でしょう。消費者行動とテクノロジーのダイナミクスが変化している中で、存在感を示したいと考えるなら、動画ベースのリアルタイムな買い物体験、つまりライブコマースを導入せざるをえないでしょう。顧客のエンゲージメントを確実に成果につなげるためです。

 

・ライブ配信の波に乗る大手ブランド

既にいくつものブランドが、自社サイトでライブ配信キャンペーンを展開して大きな成功を収め、顧客に独自の体験を提供しています。Buzzfeed、Dunkin Donuts、Kohl‘s、Tommy Hilfiger、Samsungなどは、顧客との関係を強めるため、自社サイトで定期的にライブ配信を行っています。コロナ禍が始まって以来、百貨店大手のBloomingdale’sは店舗内でのライブ配信イベントを何度も行いました。同じく百貨店大手のNordstromは、さらに一歩進んで、ライブ配信チャンネルを開設し、Giorgio ArmaniやTom Ford、Charlotte Tilburyといったブランドの創業者や中心人物をホストとして招いています。

 

・その場で得られるフィードバック

ライブ配信によって、ブランドは質の高いフィードバックをリアルタイムで得ることができます。これまでのECでは、フィードバックは購入プロセスが完了した後で届くのが普通でした。フィードバック率も、必ずしも高いわけではありません。そのため企業にとって、商品やサービスに対する顧客のレスポンスを見定めるのはひと苦労です。しかしライブ配信なら、次々と湧き出る泉さながらにデータを受け取ることができます。たとえば、顧客の視聴時間の長さ、質問、リアクション、購入追加クリックのデータなど、はるかに包括的なインプットがその場で得られるのです。

 

・「フィジタル」な体験の提供

「フィジタル」とは、「デジタルとフィジカル」のハイブリッド体験を指します。顧客が実店舗で買い物をするワクワク感を望んでいても、衛生上の不安があるコロナ禍では、非接触のオンラインショッピングが必要です。実際の販売員を起用し、店舗からインパクトにあふれたライブコマースを提供することで、消費者に自宅で買い物ができる安心感を与えながら、店内にいるかのような臨場感を味わってもらうことができます。消費者が今でも求めている「体験」という要素を、ライブ動画を通じて効果的に提供できるのです。

 

ライブコマースは自社サイトとSNSのどちらでやるべき?

  1.  ライブコマースを自社サイトに実装すれば、顧客と直接つながり、そのエンゲージメントを高められます

  2.  自社サイトならば、ショッピング体験の創造から視聴者のためのカスタマイズまで、企業が全プロセスをコントロールできます。SNSプラットフォームと違って、消費者が競合他社のコンテンツに目移りすることもありません

  3.  自社サイトでのライブ配信で得られるファーストパーティデータを利用すれば、顧客一人ひとりに合わせたターゲティングを行い、最高の顧客体験を提供できます

  4.  ライブコマースではブランドが提示する価値と信頼感で繋がるコミュニティが生まれます。それは外部にあるソーシャルコマースのチャンネルに頼っていては実現できないものです

  5.  自社サイトで蓄積したリアルタイムのフィードバックや顧客とのやり取りは、コマースデータだけではわからないニュアンスの理解や、顧客一人ひとりのためにカスタマイズされたショッピング体験の提供に役立ちます。

たとえば、カナダのモントリオールに本社を置く靴メーカー「Aldo」は、2021年春に自社サイトでライブ配信を行った直後の5日間で、1万7000回ものページビューを記録し、308%という驚異的なエンゲージメント率を達成しました。

 

実践!ライブコマースのやり方講座

 

ライブコマースを始めるには、最新テクノロジーを取り入れながら、わかりやすく整理されたアプローチを学ぶ必要があります。戦略を立て、成功を手に入れる方法について、段階ごとに解説します。

初級編

  • 自社サイトで不定期にライブ配信を開始し、反応を見ましょう

  • 配信中に扱う商品の数は、数点にとどめましょう(できれば5点以下)

  • 視聴者数、1番売れた商品、サイトのコンバージョン率などのKPI(重要業績評価指数)によって、常に配信のパフォーマンスをチェックしましょう

  • まずは、売上に結びつきそうな固定視聴者を持つマイクロ・インフルエンサーを起用しましょう

  • モバイルデバイスを活用してコストを抑えましょう

  • 新形式のメディアについて視聴者に学んでもらい、全員が同レベルのスタートラインに立てるようにしましょう

  • ブランドと、視聴者や消費者との結束を確実にするため、エンゲージメントには特に気を配りましょう

  • 配信の改善点に関して、視聴者からのアドバイスとなるフィードバックを十分に確保しましょう

 

中級編

  • 自社サイトで定期的なライブ配信の予定を組み、商品のチョイスやプレゼンテーションの方法、ターゲット視聴者などについて試行錯誤してみましょう

  • ライブ配信のパフォーマンスをトラッキングするリアルタイムの予測アナリティクスを使い、内容、商品、形式、ホスト、視聴者などに関するインサイトを引き出しましょう

  • 魅力的なコンテンツを制作し、ライブ配信チャンネルを運営するチーム(またはインフルエンサー)を決めましょう

  • 自動のパフォーマンスマーケティングのキャンペーンを通じて、ターゲット視聴者を適切な配信に誘導しましょう

  • 消費者を飽きさせない配信にするため、メリハリのある台本を制作しましょう

  • 配信の形式に慣れてもらい、コンバージョン率を高められるように、早い時期から商品紹介に重点を置きましょう

  • ブランドとの適合性が高く、良質で魅力的なコンテンツを届けられるようなインフルエンサーやKOLをホストに起用しましょう

  • ライブ配信の宣伝は、拡散力のあるSNSを通じて行い、定期的に配信イベントを観てもらえるようにしましょう

 

上級編

  • 全体的なアプローチに切り替え、多様な視聴者各層の要望に応じた商品提供に重点を置きましょう

  • AIやAR/VRなどのテクノロジーを駆使して、没入感あるライブ配信体験を展開しましょう

  • 配信カレンダーを作成し、テーマ別のプログラムで特定の商品やサービスを取り上げましょう

  • これまでのライブコマース運営の実績を生かして、専門部署を立ち上げましょう

  • 商品の品質に重点を置き、完成度の高いコンテンツで視聴者を惹きつけられるように、スタジオや機材に投資しましょう

  • 配信の頻度を上げましょう。インパクトが途切れないように、最低でも毎週3~5回の配信を行うことです

  • 配信では、ブランドや商品に精通した販売員や広報担当者を積極的に起用しましょう

 

まとめ 

Fireworkは、企業向けエンドツーエンドのライブコマース・プラットフォーム分野において、世界トップクラスを誇ります。Fireworkを用いて、短いショッピング動画や配信機能を自社サイトに実装しましょう。没入感のある動画体験を通して、顧客のエンゲージメントとロイヤルティを高めることもできます。Fireworkのプラットフォームが提供するのは、以下のとおりです。

  • 最高峰のライブコマース制作テクノロジー

  • ECと広告の統合

  • 遅延の少ない高品質配信テクノロジー

  • ECとウェブサイトのシームレスな統合

  • 顧客の成功のために真摯に働くチーム

  • ビジネスおよび技術相談サービス

  • コンセプト作りから実際の配信まで、ライブ配信マネジメントのすべてを網羅するクリエイティブ・プロダクションサービス

Fireworkはワールドクラスのライブコマース戦略策定をサポートします。詳しくはぜひご相談ください。

(※2022.8月時点でのレート133.43円換算)