1984年創刊、再来年に創刊40周年を迎えるファッション誌『CLASSY.』。2021年11月からFireworkを導入し、ライブコマース「買えるCLASSY.LIVE」を配信。毎回数万人がリアルタイムで視聴するなど反響は大きく、現在は広告企画としても成功をおさめています。「買えるCLASSY.LIVE」を始めた経緯とFireworkを選んだ理由、そして今後の展望について、光文社のメディアビジネス局 デジタルソリューション部 副部長 稲垣幸隆氏と広告部主任 兼CLASSY.事業部主任 浅田くみ子氏に伺いました。
──まず、「買えるCLASSY.LIVE」についてどういった経緯で始まり、なぜFireworkを選んでいただいたのでしょうか。
稲垣氏:弊社には通販のみで展開している「THREE SQUARE」というファッションブランドがあり、インスタライブではこちらの商品紹介をして、購入につなげたいという目的がありました。しかし購入導線がスムーズではなく、「ライブコマースがもっとスムーズにできるといいな」という思いがありました。雑誌の公式サイトであるCLASSY. ONLINEとブランドECサイトも別ドメインとなってしまっていて、これらをつなぐために何かいいアイデアはないかとも考えていました。
そんな時、2021年の9月にたまたま広告代理店さんからFireworkの紹介を受けて、見てみたところ、事例がとても見やすく、導入のイメージがわきました。米国の本社ですでにライブコマースを多数実施されていることもあり、ライブコマースのテクニックや導入方法などを教えていただけるのかなとも考えました。
浅田氏:毎月定例で配信してきたインスタライブも徐々に見慣れてきて、次なる一手をを探していた時にタイミングよくご紹介をいただきました。
浅田氏:私は実際にFireworkのメンバーにお会いして、最終的に「人」で決めたところがあります。安心感がありましたね。とにかく我々メディアに寄り添って、何でも素早く、全力で打ち返しをしてくださるんです。例えばライブ配信のテストをするときもチーム全員でフルサポートしてくれたり、ちょっとしたことでも親身になって相談に乗ってくださったりしていますね。その信頼感から、まずはやってみよう、と導入を決めました。
──ライブコマースをやってみた感触や、読者からの反応はいかがでしたか。
浅田氏:2021年11月17日に1回目の「買えるCLASSY.LIVE」を実施したのですが、前日は「ユーザーが全然見に来てくれなかったらどうしよう」「ネガティブな反応があったらどうしよう」といろいろ思い悩み、まったく眠れませんでした。
でも、蓋を開けてみたら読者のライブコマースに対する反応が良くて驚きました。同時視聴は5万人を超え、1日の売上がそれまでの1週間分。コメントがそれまでのインスタライブよりも圧倒的に多かったですね。
Fireworkは匿名でコメントができるので、「自分が着た時のイメージ」をつかむために「このトップスの丈はお尻が隠れますか」とか「胸が大きいんですが似合いますか」などと、かなり具体的な反応が来ました。これは新しい発見でした。インスタライブだと読者が自分のアカウントを使ってコメントすることになるので、ここまで赤裸々で具体的なコメントがしづらいんですね。読者の生の声を拾うこともできて、誌面づくりにもフィードバックできるなと感じました。
今は毎月の雑誌発売時にインスタライブを月1回、「買えるCLASSY.LIVE」を月1回。その他、不定期で企業タイアップによるライブを実施しています。
またアーカイブを残しておけるので、そこからの購入も多く、ライブ時よりアーカイブの方が多くの方に見ていただけるのも発見でした。企画タイアップでは視聴回数が10万回を超えることも!アーカイブ動画ではピンを立てて押し出したいシーンを動かせるので、平日や週末、気温などでもピンの位置を変えて、押し出す商品を変更できるのもありがたい機能です。
この数年はコロナ禍で服が売れなくなっている、というお話をブランド各社の皆様からも聞いていました。CLASSYとしてはブランド様あってこそ、という姿勢があるので、ライブコマースはそのスタンスに直結するようなものだと思えましたし、ブランド様にも恩返しできるツールになるなと思いましたね。
──Fireworkを導入して、特にバリューを感じたポイントはなんでしょうか。
浅田氏:システムを使うことになるので、どうしてもシステムのアップデートや機能の追加などで分からない部分が出てしまうことがあります。それで問い合わせた時のスピード感が本当にすごいですね。「即レス」していただけます。
稲垣氏:とにかくサポートが手厚い印象ですね。開発のスピード感も非常に速いと思っています。新しい機能がいつの間にか搭載されていることも多々あります。あとは最初から直感的に管理画面を使えることも良かったですね。システムに慣れていない人でも操作できます。
浅田氏:雑誌畑でずっとやってきた編集部員は、分析データの数値の読み方などもわからないことがありますが、Fireworkの分析画面はデータの処理もいらず、分析のページをそのまま部員に共有しても理解してもらえます。
編集部員の意識も変わりました!”ライブコマースで物を販売する”というプレッシャーと戦っています(笑)。いかにユーザーの心をつかんで「欲しい!」と思ってもらえるか……。1アイテムの着こなしをたくさん見せたり、同じアイテムを着た様子を身長別に見せたりなど、構成を工夫して考えていますね。
稲垣氏:「コマース」ではなく、「コンテンツ」として読者の方が楽しんでくれるように、ライブを通して付加価値を見せられるのが理想だと思っています。
浅田氏:私たち雑誌を作る者は「世界観を作る」ことに命をかけているのですが、ライブだと「編集部の裏側」や「編集部員の素顔」を垣間見た時にコメントが殺到するなど、意外な反応に驚きました。編集部員という「裏方」が表に出ることに関してはそれまでハードルが高いと思っていたのですが、新しいアプローチができているのかなと感じました。
──ライブコマースを広告のタイアップメニューとして販売するようになった経緯を教えてください。
浅田氏:昨年11月の1回目の配信から「これはいける!」と感じ、2月に「CLASSY.がライブコマースを開始した」とプレスリリースを出しました。その時点で数件、企業からのお問い合わせをいただきました。社内では「まだ早いのでは」という声もありましたが、私としては「まだどのメディアもやっていないうちに」先行したい気持ちがあり、強行突破して、2022年4月に初めての企業タイアップライブを配信しました。
稲垣氏:クライアント様からお金を頂くことになるので、もっと練度を高めてからという声もありましたが、Fireworkさんがサポートしてくださるという安心感もあってGOサインを出したところもあります。
浅田氏:初めてのクライアント様はエストネーション様でした。もともと誌面だけのタイアップとして担当の方とご相談していたところ、「誌面タイアップのオプションで、インスタライブもやりたいです」と言っていただいて。「それなら、『買えるCLASSY.LIVE』をやりませんか」とこちらからご提案させていただきました。
それまでは弊社の会議室から配信していたのですが、その時はエストネーション様の店頭から配信したいというご要望があり、ユーザーが見た時に不具合を感じないように、入念にロケハン、下準備を行いました。実際にスマホを持って移動しながら、「ここはWi-Fiが弱い」「このルートを通って歩こう」などと、かなり細かく決めました。このときもFireworkの担当の川島さんに下準備からすべてサポートしてもらい、非常に心強かったです。
結果的にライブとアーカイブ合わせて約13万回再生と多くの方に見ていただき、CTRも30%と非常に高い結果になりました。ライブ配信後にはCLASSY.のメイン読者層である20代後半から30代前半の方が「買えるCLASSY.LIVEを見て来ました」と実際に来店されたり、エストネーション様のECサイトへも若い年代の方が多く訪問されたりと反響がありました。
CLASSY.は創刊から38年。これまで積み重ねてきた世界観があり、しっかりと固定読者がついていることが財産になると改めて感じました。この「CLASSY.らしさ」を生かしたコンテンツでと言ってくださるクライアント様が多く、ありがたいなと思っています。
──今後、挑戦していきたいことや、Fireworkに期待することがあれば教えてください。
浅田氏:目指せ「売れるCLASSY.LIVE」! ユーザーとの距離感の近さは保ったまま、コンテンツの表現として楽しみながら結果を出していきたいですね。
稲垣氏:クライアントの皆様は、まだ「ライブコマースをすること」自体に価値を感じてご出稿いただいている段階ですが、「これなら必ず買ってくれる」というメニューをクライアント様に提示できるようになるとより良いと思います。「新しさ」はアピールできていると思うので、もう一歩先に行きたいですね。
Fireworkさんとは、「即レス」をしていただける今の距離感のままで、新しい機能をどんどん増やしていただきたいと思いますね。特に結果の数字を意識するクライアント様の案件で新しいアイデアをいただけると、大変ありがたいです。会社の垣根を超えて「一緒にいいものを作る」ことに協力いただきたいなと思います。
──ライブコマースを「やってみよう」と思いながらなかなか踏み出せないメディアの方にアドバイスをお願いします。
浅田氏:個人的に「いろいろな媒体のライブコマースが見たい!」と思っています。雑誌が持っているコンテンツ力はまだまだ強いと考えているので、様々な会社にチャレンジしていただきたいですね。
稲垣氏:月並みですが、「まずやってみる」ことかと思います。やりながら勉強になることもありますし、やってみないとわからないことも多々あります。まずやって「ああしよう、こうしよう」とそれぞれのメディアのスタイルを作っていけばいいのではないかなと思います。
浅田氏:素人がやっているライブなので、失敗しないわけがないんです。配信が止まってしまったらお詫びをしますが、進まないと道は開かないし、やってみる価値はあるものだと思います。
ここまで突き進むことができるのは、やはりFireworkさんの手厚いサポートが本当に大きいです。ライブ直後にも「ここを改善してほしい」とリアルタイムでFireworkさんに連絡することもあります。そのスピード感で並走してくださっているおかげで「買えるCLASSY.LIVE」もどんどん進化していけます。